私にとってこの言葉は、
「まさにその通り」と膝を打たんばかりのメッセージなのですが、
現実的には、数字から経営を捉えられていない経営者の方は、「極めて多い」です。
予算計画を立てたこともなく、立て方も分からないという方が非常に多いのです。
理念やビジョンを航海における目的地に例えるならば、
予算計画とマーケティングプランはその目的に至るための「海図」と「コンパス」、
そしてそれをもとに作成される航海計画です。
これらがなければ、やはり航海はその日暮らしのものになります。
乗組員は、いったい船が今どこに向かっているのか分からず、
目の前の作業をやっていても果たして目的地にたどり着けるのか、確信が持てません。
あれもこれもと色々と手を出す割に、
いまいち積み上げがなくいつもバタバタしている会社に決まって欠けているのが、
予算計画とマーケティングプラン(戦略計画)なのです。
それがなければ、どんなに魅力的な理念やビジョンを描いても、
それは絵空事、白昼夢にすぎず、いつまでたっても達成されることがありません。
そして、より重要な事実は、
ビジネスにおいて、
行動に歯止めをかけるほとんどの要因はお金
であるという事実です。
ビジネスにおいて「お金を使う」ことは、
基本的には全て浪費でもなく、消費でもなく、「投資」です。
(そうではない使い方をされていることもよくありますが
「放漫経営」とは、まさにそのことです)
投資ということは、全てのお金の使い道に対して費用対効果を測定することができ、
それがうまくいけば、
必ず投資以上のリターンになって返ってくるということを意味します。
であるとするならば、
- なぜ、借り入れをすることに不安を感じるのでしょうか?借り入れた金額以上のリターンが得られるのであれば、躊躇する必要はありませんし、投資を拡大していかなければ、いつしか会社の成長はストップします。
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- なぜ、費用をかけてマーケティングを行うことができないのでしょうか?借り入れと同様、投資額以上のリターンが得られれば躊躇する必要はありませんし、投資を拡大しない限りいつまでたっても会社は大きくなりません。
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- なぜ、新たに従業員を増やすことに不安を感じるのでしょうか?企業にとって最も重要な財産は人財です。そして、優れた人財は、あなたが支払う給料の何倍も何十倍ものお金を会社にもたらしてくれます。
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こうしたことに不安を感じ、行動に歯止めがかかってしまうのは、
「それを行動に移した時に、実際のお金の流れがどうなるのかが見えない」、
あるいは、
「失敗してしまった時に、お金が回らなくなるのではないか不安」
だからではないでしょうか。
まさにそのために、予算計画が必要になるのです。
それは簡単に言えば、将来の財務諸表
(貸借対照表と損益計算書とキャッシュフロー計算書)を作るということです。
それによって、借り入れをした時、マーケティングに投資をした時、
新規に従業員を雇用した時にお金の流れがどうなるかを
目に見える形にすることができます。
それによって、会社のビジョンをどのように実現していくのかを
具体的に見える形にすることができます。
ワクワクするビジョンに基づいた目標を設定することができ、
行動にパワーが生まれます。
もちろん、計画は必ずしも思い通りにいくとは限りませんから、
失敗する可能性はあります。ただ、その失敗も織り込んだ予算を作成すれば、
「最悪どんなに失敗してもこの位」というお金の流れも目に見えるようになりますから、
それさえ把握できれば、思い切って行動することができます。
会社の成長のためにも、経営のリスク管理のためにも、
小さな会社でも、予算計画は必須です。
(残念ながら、税理士にこれを作ることはできません。
彼らはあなたの会社の経営のプロではないからです。
予算計画を作成できるのは、あなたの会社の事業内容に精通している人だけです)
そして予算計画ともう一つ必要になるのが、
すでにお話ししたマーケティングプランです。
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